勉強法 民法

民法の論文が書けるようになるための方法

予備校の講義の予復習もして、テキストもちゃんと読んで、判例も条文もチェックしている。だけど、答練や試験であまり書けるようにならない。そういう科目ありませんか。おそらくその科目は苦手科目なのだと思います。私にとって、民法がまさにそうでした。私の経験から民法の論文が書けるようになる方法を紹介したいと思います。

1、軸とするテキストを定める。

普段からメインで使用している基本書、予備校のテキスト等があると思います。ない場合は、何か一つ定めてください。その際は、網羅的であること、規範や理由づけがコンパクトにまとまっており、暗記しやすいことを基準にすると良いと思います。民法の場合、『民法の基本書はこれだ!』という位置付けのものはないように思います。好みや相性で選ぶこととなると思います。基本書の場合のメリットとして、体系的であることや論理的説明が充実していることが挙げられます。しかし、民法の論文試験の場合、ロジックとして難しいという問題は出ません。本件のケースにおいてどういう請求、主張抗弁等が可能かという実際的な分析力が求められます。そのため、私は基本書ではなく、資格スクエアの講義テキストを利用していました。

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この辺は好みもありますが、とにかく、一つメインの基本書を定めることが重要になります。

2、LawPracticeを極める。

ロープラクティス民法(通称ロープラ)です。使い方は以下の通りです。

1、まずは自力で解く。

2、解説を読む。

3、自分が軸としているテキストを参照しながら、自分なりの完全答案を作成する。

4、すべての問題(消費者契約法等絶対に出ない問題を除く)について1〜3を行う。

5、再び各設問の問題部分を読み、出来上がっている完全答案を読むという作業を繰り返す。その際、完全答案の推敲や修正、補足は適宜行い、より実践的な答案に仕上げていく。以降この5の作業のみ継続していく。

ロープラ民法のいいところは問題が基礎的なのに質の高いところです。しっかりと考えさせる論点も含んでいます。また、網羅的です。完全答案を作成するだけでかなり力がつきます。また、これを反復継続することで、民法の思考パターンが定着しますから、未知の問題や応用的な問題に対しても分析力がついていきます。私は民法が苦手だったため、『ロープラに出てる論点が本番で出題された場合はしっかり答えられればいい』という気持ちで1〜5の作業をしていました。しかし、5を繰り返していると、現場思考型の論点にも「あれ、ここ不都合あるな」というようにしっかり気づけるようになっていきました。民法の思考パターンの定着があったからだと思います。

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3、その他のよくある疑問点

民法の答案作成にあたり、要件事実に乗せて書いた方が良いのかどうかと迷うことがあると思います。結論から言うと、私はどちらでも良いと感じました。複数回論文試験を受けましたが、要件事実に乗せて書かなくてもA評価が来ました。おそらくですが、予備試験では民事実務科目で要件事実を聞くため、民法の試験で要件事実プロパーの理解を示しても配点はないように感じます。また、司法試験においても、要件事実を聞く場合は「下線部の法律上の意義を述べよ」と言ったように明確に示してくるので、その他の民法の部分では要件事実に乗せても配点はないのだと考えております。

そうはいっても、要件事実の知識自体は民法の事案の分析に役立ちます。請求原因事実や抗弁事実を並べていくことで論点に気づくこともよくありますから、要件事実の勉強自体は民法の論文にも有用と言えます。

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